今回は私がアウトドアで愛用しているカメラ「OLYMPUS Tough(TG)シリーズ」についてです。
人気のカメラですので色々なレビューがあると思いますが、アウトドアガイドという特殊な視点からレビューしたいと思います。決してカメラの専門家ではありません(笑)
使用状況
使用歴
2012年から今現在(2020年5月)まで約8年以上このTough(TG)シリーズを使い続けていて、一台だけではなく複数台使用してきました。年平均90日ほど川で使用。川での使用ではカメラごと水中に入ります。
実際の使用環境
4月後半から10月下旬まで、気温は10℃~40℃、水温は15℃前後、春から秋まで寒くても暑くても水の中に入ります。
カメラについて
実際に使ってみた感想をふまえて説明します。
タフ性能
最新のTG-6だと【いつでもどこでも撮れるタフ性能】「防水15m」「防塵耐衝撃2.1m」「耐荷重100kgf」「耐低温-10℃耐結露」とありますね。でもこれカメラ詳しい人にはいいけど、あんまりという人にはわからないと思うんです。
私の具体的な使用状況で説明しますね。
8月はほぼ毎日キャニオニングガイドとして川に持っていきます。キャニオニングがわからない人はこちらを読んでください。→キャニオニングとは?
5mほど高さから滝つぼに飛び込んだりスライダーしたり、こんな行動を毎日です。カメラはウェットスーツの中の胸元に入れるので私と同じ行動をしてます。ガイド業をしながらなので岩に擦ったりぶつけたりもかなりの回数があると思います。30℃以上の気温から冷たい水の中に入るので気温差も相当です。
でどうかというと、タフ性能は十分です。普通に使っていればアウトドア状況下でも壊れることはまずないでしょう。実際私自身は700日以上使っていてタフ性能的な要素で壊れたことはないです。
画質
最新のTG-6だと【表現力を協力に支える高画質】「F2.0高解像力レンズ」「イメージセンサー・画像処理エンジン」「ARコートでゴーストやフレアを低減」「RAW記録」とあります。これらもカメラ詳しくない人からしたら何のこっちゃですね。
この防水・防塵性能でこの画質、他のメーカーのものと比べて現状ライバルはいないと思うくらい素晴らしいと感じました。F2.0という明るいレンズなのでアウトドア状況下で非常に写真を撮りやすいです。いっぱい光を集められるレンズなので暗い場所にも強いし、動きのある被写体も撮りやすいということです。
動画は4K / 30fspと1080フルハイビジョン / 60fsp対応。防水カメラとして十分な性能です。
操作感
シャッターボタン、モード切り替えダイヤルは使いやすいですね。不便はないです。動画録画ボタンが小さくて押しにくいかなと思いますが、あまり大きくても誤操作しやすくなるのでそこをふまえるとよく考えられてると思います。
タッチパネル非対応なので少し不便に感じる人もいるかもしれません。私の場合は泳ぎながらとか片手で操作することが多いのでタッチパネルではない方が使いやすいですが。でもこのカメラの位置づけを考えるとタフな状況下での使用を想定しているので間違っていないのかなと思います。
TGシリーズでも壊れるの?
私は使っていて壊したことはないですが、アウトドアカンパニーに所属していて、一緒に働いている仲間のガイドが壊したことはあります。参考になると思うので実例を挙げていきます。※会社でトータル15台近く所有し、各々200日以上は使用しています。
レンズがピンポイントで岩にヒット
川で1mくらいの高さから落としたらレンズがピンポイントで尖っている岩にヒット。さすがにレンズが割れてしまいました。いくら頑丈とはいえ壊れないわけではないといういい例です。修理に出したらレンズを交換してもらえ使えるようになりました(有料)。
同じシチュエーションで液晶が割れてしまった事例もあります。
フタが開いて浸水
バッテリーとSDカードを挿入する部分のフタがキャニオニング中に開いてしまって浸水し故障。2重のロックがついているのでそう簡単には開かないはずが開いてしまったんです。最初から閉め忘れていたのかそれとも途中でロックが外れたのか。ロックは必ず確認しましょうという教訓ですね。
レンズに細かいキズ
故障というわけではないんですが、写真の写りにかなり悪影響が出てきます。このカメラは最終的に細かいキズが増えて光が散乱してひどい写り方になりました。いくらタフでもキズはつきます。それがレンズだとカメラとしては命とりですね。多少雑に扱っても大丈夫かもしれないけどレンズは最低限ケアしましょうといういい例です。
基盤損傷
おそらく落とした衝撃が原因と思いますが、電源は入ってシャッター音もしてSDカードにデータも残っているんだけど液晶がまったく写らない。これも修理に出したら直りました(有料)。
私のアウトドア的使い方の工夫
アウトドア、特にキャニオニングでの使い方について工夫したことを紹介します。
フタにはテープで誤開放防止
2重のロックがついていますが念のためその上からテープを貼ってロックが開かないようにします。
温度差に注意
キャニオニングで使用していて一番厄介なのがレンズのくもり。原因は温度差。特に川以外例えば車の中とかで日光に当たらないように、暑い場所に置かないように注意しています。
ストラップは必ず
川で落とすと破損や紛失の確率がかなり高いので必ずストラップはつけるようにしています。私は浮力体がついているものを使用しています。
使用後は乾燥
使い終わった後は必ず乾燥させます。温度差が原因で結露がおきている可能性あり、これもレンズのくもりの原因になるんです。密閉容器に除湿剤を入れてカメラを乾燥させてます。
おすすめのオプション品
液晶の保護フィルム
液晶部分はキズが入りやすいのでこれは使うべきでしょう。面積が広いのでぶつけてしまう可能性が一番高い部分です。
シリコンジャケット
好き嫌いが分かれる品ですがちょっとしたキズや衝撃に対して保護してくれます。私は好んで使います。購入する場合は型式に合ったものを選びましょう。
まとめ
これだけのアウトドア環境と使用回数でもしっかり使えて、写りもきれい。特にウォーターアクティビティ系ではほんとにおすすめなカメラだと思います。
また今回紹介していませんが、カメラとしての機能が大変多いので使いこむほどより写真を撮ることが楽しめるのも魅力だと思います。
私の場合使用回数が多く、壊れてしまった状況にも詳しいので頑丈なTGシリーズでもこういう使い方をすれば壊れてしまうということがわかり、気を付けるポイントや工夫の仕方を見つけることができました。
また技術の進歩がほんとにすごくて、バージョンアップするたびに使いやすくなってます。実際TG-5からかなりくもりにくくなったと感じます。レンズのダブルガラス構造というのがかなり効いているのでしょう。
TGシリーズに限らずまた新しい素晴らしい機能を持ったカメラが登場するのが非常に楽しみですね。