セイファーカード使ったプロガイドによる安全説明

アウトドアガイド向けの内容になります。

プロフェッショナルガイドはセイファーカードを使って安全説明することをおすすめする内容です。

目次

セイファーカードとは?

セイファーカードとはアウトドアガイドがアウトドアアクティビティ参加者に対して安全説明を行う際に使う説明の要点がまとめられたものです。

実際どんなもの?

手のひらサイズほどで防水処理をします。

セイファーカード

セイファーカードを使う重要性

アウトドアアクティビティは参加者のみなさまが自分で行う行動が多く、ガイドの説明をしっかり理解してもらうことがとても重要です。これが不十分だとやってはいけない行動をしてケガをしてしまうリスクが高まります。

説明のチェックリスト

安全説明の言い忘れを防止します。人間ですので誰でも忘れてしまうことがありるでしょう。セイファーカードを使うことによって説明不足によるケガのリスクを減らします。

説明事実の証明

安全説明をしたという事実を残せます。おそらく参加者のみなさまは説明の細かな内容までは覚えていないです。しかしセイファーカードを持って説明すれば内容は覚えていなくても説明したこと自体は覚えているはずです。万が一法的な問題になったときに安全説明をしたと証明できます。説明内容が記載されているセイファーカードを使うことによってお客様と自分を守ります。

セイファーカードの内容

内容は自分で作りましょう。決まった形式はありません。記載しておく内容はあくまで言い忘れ防止なのでリスト形式がいいです。説明の文章を全部書くようなカンニングペーパー的な使い方はしないでください。プロフェッショナルガイドは人や場所に合わせて話し方や説明のやり方をアレンジする必要があります。

セイファー内容の例

私はCIC(世界キャニオニング協会)のセイファーカードを参考にしています。内容はこのようなものです。

以下私自身による英語→日本語の翻訳です

ブリーフィング

複数のブリーフィングを効果的かつ的確に伝えるためには、内容ごとに複数回に分けてブリーフィングをおこなうことをお勧めします。。各ブリーフィングは5〜7分より長くおこなうべきではありません。コミュニケーションはおこなったことを証明する必要があります。ブリーフィングのたびにカードを取り出し、実証的に読み取ることをお勧めします。これにより、説明忘れをなくし、ブリーフィングを再現できます。情報を的確に伝えるために、ブリーフィング中は意識的に言語、非言語コミュニケーションを違和感のないように使いましょう。

プロとして挨拶
  • アイコンタクト(サングラスははずす)
  • 適度な強さとニュートラルな握手
  • スモールトークのタイミング
プランの概要
  • ガイド紹介
  • コース説明(車移動、登り、所要時間、インフラ)
  • 天気 / 水量 / 難易度
  • キャニオニングと安全:溺れるリスク、登山のリスク、100%安全なのは参加しないこと。
  • スイム、コンタクトレンズ、アクセサリー
  • 健康状態(ケガ、心臓病、喘息、糖尿病、関節、てんかん、アレルギー反応、潜水、薬、懸念事項)
  • 装備の説明(除外しても良い)
  • 車のカギ
登り始める前に
  • 権限を明確にして、安全で楽しく(話かけるなど)
  • 自然と環境への配慮(ガチョウのように一列で)
  • 常に後ろの人を気にかける
  • 伝言
  • 手はフリー
渓谷に入る前に
  • リスクが上がる(危ない区域に入っていく)
  • 制限 / 禁止(ジャンプ)
  • 危険な場所には誰も入ってはいけない
  • ハンドサインの説明:ストップ、ゆっくり、はやく、OK、問題がある、方向、ロープの長さ指示、プールの深さ、X、障害物、滑りやすい、スライダー、ジャンプ、懸垂下降

渓谷内での技術についての説明

スポットで参加者全員に、日差しを考慮、わかりやすく円滑な話し方、リスクの提示、温かくできるように

歩き方
  • 手の位置
  • 安全に歩くことの50%はメンタルが影響
  • 地面の状態(石の大きさや色)
  • 重心とトラバース
  • ボールベアリング効果
  • 静水セクションは避ける
  • 小さい / 大きい石や岩
  • 歩幅は小さく
  • 水の中の見え方
  • 石への足の置き方
  • 木は避ける
  • 流れの中での足のポジション
  • 水から見えている岩を使う
懸垂下降
  • 体の姿勢、使い方
  • ボトムビレイができている
  • 危険なこと
ジャンプ
  • 常に他のジャンプ以外の方法をセットし提示する
  • 3つジャンプテクニックから選ぶ
  • 着水ポイントと体の姿勢
  • 100%の命中 + ジャンプテクニックを使う
  • 着水後の確認
  • サインを出す(OK etc.)
スライダー
  • 足から入水、体に力を入れておく
  • 全ての関節を少し曲げておく
  • 腕はまっすぐ伸ばし並行でなるべく体にくっつける
  • 背中を岩に
ロープ安全確保
  • ランヤードは両方ともクリップしておく
  • スクリューゲートは岩がない方へ向けて使う
  • スクリューゲートは常に閉める
  • アンカーポイントの間には1人だけ
ホワイトウィーター / スイム
  • 説明 / 理想的なやり方
  • どのポイントで何が起こるか
  • フラットスイミングポジション – 足から
  • エディ – アクティブパッシブとパッシブアクティブ
  • エネルギー節約 – 低体温

このセイファーの内容と使い方について

英語の文章をそのまま訳したので表現がおかしい箇所がいくつかあります。

CICのキャニオニングガイド基準を元に作られているのでCICガイドでなければわからない表現や言葉があります。

あくまでリストなので必要のない項目は説明自体しなくてよい。

まとめ

私は自分が説明しやすいように内容をアレンジして使っています。セイファーカードを使うことによって説明内容が抜けてしまうことがほぼなくなり、他にも説明の時間をコントロールできるようになりました。また普段と違う場所や遠征ツアーなどで非常に役に立ちました。

最後に注意点、セイファーカードはあくまで安全説明を補助するためのものです。コミュニケーションのついての知識があることが大前提になります。セイファーカードがあっても説明自体が下手で相手に伝わっていなければ意味はありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

キャニオニングをメインにアウトドアガイドをしています。

目次